別府温泉ファンなら知っておきたい、別府独自の入浴作法を地元民が徹底解説!

日本一の温泉源泉数・湧出量を誇る大分県別府市には、住宅地や飲食店街の片隅に沸く小規模な温泉施設が数多く存在しています。
別府という街には日常の一部として温泉の存在があり、別府市民にとって、温泉に浸かることは銭湯に行くのと同じようにとても身近で日常的な行動です。

そんな別府温泉には、観光客の方にとっては奇妙に思える独自のローカルルールがいくつか存在することをご存知ですか?

 

みんなで知ろう、別府温泉の入浴マナー

身も心もリフレッシュさせてくれる温泉、せっかくならできるだけ気分よく入りたいものですよね。

別府温泉は、地元の常連さんから観光客の方まで、価値観も常識も異なる様々な方が訪れる場所。
その上、別府には他にはない珍しいローカルルールがありますから、「ルールを知らなかった方」ルールが別府独自のものであることを知らない方」同士でトラブルになってしまう悲しいケースがあるようです。

悲しむ女性

別府八湯温泉道にチャレンジしている方や、最近別府へ越して来たばかりの方などは、ジモ泉(地元の方が日常的に利用する小規模な温泉施設)での入浴作法がわからず戸惑ったり注意されてしまった経験もあるのではないでしょうか?

逆に長く別府で暮らしている人のなかには、県外からのお客さんの振る舞いが非常識に見えて必要以上にモヤモヤ……という経験をした方もいるかもしれませんね。

モヤモヤ

ルールの存在を知っていれば、きっと誰もが今よりもっと穏やかな気持ちで温泉を利用できるはずです。

地元の方初めて別府温泉に来た方が互いに気持ちよく温泉を楽しむためにも、別府温泉初心者の方はこの機会に、常連さんは今一度あらためて、別府温泉の入浴マナーを確認してみましょう。

 

1.入室・退室するときはあいさつをする

挨拶のイメージ

別府の人々にとって、ジモ泉は「みんなで共有している、みんなの温泉」という感覚です。自分だけのものではなく、みんなで仲良く分け合うものなんです。

別府のジモ泉は、日々の疲れや汚れを洗い流すお風呂場としてはもちろんですが、地域の交流拠点として利用されている面もあるため、あいさつは利用者のマナーであり基本。

脱衣所や浴室に出入りするときは、その場にいる方に「こんにちは」「お先に失礼します」と軽く声をかけましょう。

知らない人にあいさつをするのは恥ずかしい!という方は、軽い会釈だけでも大丈夫。
大切なのは「私も一緒に利用しますので、よろしくお願いします」という気持ちを表現することです。

黙って入ってきてしまうと、見知らぬ人が突然やってきて地元の常連さんも不安になってしまいますから、不要なトラブルを避けるためにもあいさつで互いに心をほぐしましょう。

 

2.浴槽のふちに腰掛けない

これは別府温泉以外ではなかなか聞かないマナーなのではないでしょうか?
まさにローカルルールです。

別府の温泉を利用する人々にとって、浴槽のふちは「腰掛けて休憩する場所」ではなく「湯船に浸かりながら頭を乗せ、リラックスする場所」という認識があります。
多くの人が頭を預ける場所ですので、浴槽のふちに座るのは別府ではマナー的にNGとなっています。

×マークのパネルを持つ手

別府温泉初心者の方がうっかり怒られやすいポイントになっているので、初心者の方は肝に銘じて、地元の方はこのルールが別府独自のものだと自覚して、ついつい腰掛けてしまった方には優しく教えてあげましょう

ちなみに暑くなってきて休憩したいときは、施設によっては浴室内に休憩用の椅子を用意している場合があるので、そちらを利用しましょう。
椅子がない場合は、床や体を洗う際に使う腰掛けに座って涼んでいる方が多い印象です。

椅子や浴室内に座ることに抵抗のある方は、暑くなってきたときは無理をせず脱衣所でしっかり休んでくださいね。

 

3.髪の毛やタオルをお湯に浸けない

こちらは全国的にも浸透しているマナーですね。

体を洗うために使うタオル髪の毛をお湯につけるのは、衛生的な問題もありNGです。

髪を結ぶ女性髪の毛はしっかり結んで、タオルは持参した洗面器に入れたり浴槽のふちなど目の届く範囲に置いておく、もしくは頭の上に乗せて温泉気分を高めるのもいいですね。

 

4.加水するときは声をかける

以前ブログにも書きましたが、別府温泉のほとんどは源泉かけ流しで、なおかつそのお湯が超熱くなっています。

別府市民が教える、超ホットな別府温泉事情とおすすめ温泉3選

慣れていない方にとってはまさしく地獄の熱湯のように感じますが、長年別府のお湯に親しんでいる方の中には、このアツアツのお湯がいい!という方もいるんです
また、源泉かけ流しのお湯は自然由来のミネラルやイオンが豊富に含まれており、お肌や健康に良い効果があるとされています。

女性

熱いからといって勝手に温泉に水を加えてしまうと、「せっかくの成分が薄くなってしまう」「お湯がぬるくなってしまう」など常連さんが気持ちよく入浴できなくなってしまう場合があります。

とはいえ、お湯が大変熱いということは皆さん分かっていますから「水を入れてもいいですか?」と一声かければ基本的にはおおらかに許可してくれるはず。

お湯が熱いと感じたら、無理せず周囲の方に声をかけて加水しましょう。

手を合わせてお願いする女性

ちなみに、別府市営の温泉の中にはぬる湯(通常のお湯に比べて温度を40℃前後まで冷ましている浴槽)が整備されている施設も多々あります。

熱いお湯が苦手だけどジモ泉に入りたい!という方はぬる湯のある施設からチャレンジするのがおすすめです。

 

5.体を洗うときは浴槽のお湯を使う

積みあがった洗面器

ジモ泉には浴室面積があまり広くない施設も多く、そうした温泉では体を洗うためのシャワーや洗い場が用意されていないことも多くあります。
そうした温泉では、入浴前のかけ湯や体を洗う際には浴槽のお湯を使うのが決まりになっています。

衛生的に少し抵抗のある方も多いかもしれませんが、これは別府に住む庶民にとって、古くから温泉が身近にあったことから生まれたマナーといえますね。

こうしたジモ泉はどうしてもお客さん同士の距離が近くなってしまいますので、お湯をすくったり体にかけたりする際は、浴槽内や周囲にいる人にお湯や泡がかからないようゆっくりと静かに行いましょう。

 

6.洗髪は可能か要確認

シャワー

シャンプーの泡が飛び散って他の方の迷惑になってしまう、またはシャンプー汚れを落とすために人手や時間がかかってしまうなどの理由から、洗髪を禁止もしくは追加料金制にしているジモ泉は意外と少なくありません。

ジモ泉は地域の有志の方など個人単位で運営している場所も多く、一般の入浴施設と違って清掃など施設の運営維持に対して多くのコストを割けないという事情があります
そのため、多くのジモ泉は利用者ひとりひとりが施設の持続的な運営ができるように協力し、支えあって運営されているんですよ。

初めてジモ泉を利用する場合は、その施設では洗髪が可能かどうか確認しておくといいですね。

 

おわりに

いかがでしたか?

自分ひとりが楽しむのではなく、利用する誰もが気持ちよく温泉を楽しむためにも、周囲への心遣いを忘れずにいたいですね。
とはいえ温泉はリラックスできることが一番大切ですから緊張しすぎずゆったりとした気持ちで別府温泉を楽しみましょう。

 

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